最近、特に葺き替え工事ご予定の方で多く承るご意見が、「葺き替え工事は台風や地震の際に一度に工事したい。保険も下りるかもしれないし・・・。」と頂きます。しかしこのご意見、実際のところ冷静に現状を見ると、メリットよりデメリットの方がはるかに大きいと思われます。

まず、災害時には地域や会社の大小を問わず、屋根工事業者にとって恐ろしいほどの繁忙期になります。巷では「繁盛していい」と言われますが、実際のところ全くそうではない所も多いと思います。まず数カ月予定の上に既存のお客様のアフターや点検依頼が舞い込んできて、そこから更に新規のお問い合わせが短時間で山のように舞い込んできます。商品を販売するお仕事であれば、増産して人員を若干増やし、郵送量を増やせばいずれかは一段落すると思います。ただ工事業は単にそうとはいきません。雨漏り等の危険上で迅速性を求められる上、100軒あれば100通りの状況があり、100通りの工事の在り方を判断しなくてはなりません。当然それには個々を細かく診れる人員が必要不可欠になります。人員に限りがある以上、お断りすることも多々できてきます。そこで結構お叱りを受けるわけです。

そのような数カ月かからないと落ち着かない鬼のような環境で、はたして余裕を持った材料選びから予算等のプランを組むことができるでしょうか。そこで運良く着工までこぎつけても、多くの有能な職人は緊急工事や防災対策工事に駆り出される傾向にあるため、腕の良い職人が平常時より手薄になる傾向にあります。

この現状が、「葺き替え工事は災害時ではなく平常時」とに常に弊社が主張している理由であります。

平常時に余裕を持った屋根の対策をお勧めします。