最近、新築時に天窓をつけたいけど、雨漏りが将来するからためらっているという話を聞きました。確かに20年~30年前は「バルコニー下の部屋」と並んで、雨漏りの原因のトップ1、2を争っていました。ただ時代が変わり、性能も進化してきており、現在はほぼ少なくなってきました。

でも、たまに雨漏りとして要請を受けることがありますが、その時一番多い原因が「窓周辺の結露」になります。結露とは、冷たい飲み物のコップの外側に水滴がつく現象と一緒です。冬に暖房等で温まった空気は建物の上層部分に滞留します。その空気と屋根上の冷たい空気の温度差によって、同じように汗をかく現象です。特に薄型スレート系の屋根で良く起こります。この結露は新築時には無かったのが、20年~30年経つと周辺のクロスがうっすらカビた感じの症状として現れ、明らかに見た目としては雨漏りと誤解されます。

この場合、散水検査をしても全く水の侵入が確認されません。原因として考えられるのは、天窓周辺の断熱材の劣化が考えられます。対策としては、天窓周辺に送風ファンを設置し、こまめに稼働させる方法がありますが、根本的な改善としては断絶材の改良工事をお勧めしています。

最近の天窓で一番多いのが、「日本ベルックス社」というメーカー製のもので、同社の製品は経年後のガラス周りシーリング等からの雨漏りも、ほぼ確認されなくなってきました。
天窓は「採光」という大きなメリットがありますので、雨漏りを必要以上に恐れなくてもよいかとは思われます。